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蕩けるようなキスをして
第57章 クリスマス・イヴ
自分で自分が信じられない。
穴があったら、速攻で入りたい。
これが、イヴの魔法か。
これが、イルミネーションの魔法か。
そうでなければ、普段の自分からは考えられない行為だ。
この非日常の空間が悪いのだ-そうに決まってる。
だから自分は悪くない-どうにか自分を正当化したくて、様々考えを巡らす。
華夜子が葛藤していると、陸の手が伸び、髪に降った雪を払った。
「雪、降ってきちゃったな。近くのコンビニで傘買おうか?」
降るかも知れないとは思っていたが、逆に降らない場合に荷物になる事を考え、傘は持参していなかった。
万一。
必要に迫られればコンビニがあるし、そもそも多少の雪ぐらいでは傘など元から差さない。
自分ひとりであれば、多少の無理も利く。
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