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蕩けるようなキスをして
第57章 クリスマス・イヴ
「…五時からずっと、四時間以上もここで待っていたの?」
華夜子の掠れた呟きに、陸は笑って無言で、小さく頷く。
「こんなに寒いのに?来ないかもしれないのに?それでも待ってたの?」
心底信じられないという響きが、華夜子の声には含まれていた。
「なんでそんな大変な思いをしてまで待つの?なんでそんなに大変なのに待っていたの?どうして待っていられるの?」
言いながら、歪み始める、彼女の顔。
その口唇は、戦慄(わなな)いているようだった。
「そんなの-」
-理由は、ひとつしかない。
言いたい。
言っていいのかな。
言いたいけど、最後の躊躇をしてしまう。
陸が曖昧に微笑み、言い淀んでいると、華夜子が絞り出すように訊いてくる。
「陸の待ってる彼女は…そんなにまでしても、それでも待つ価値があるひと?」
華夜子の掠れた呟きに、陸は笑って無言で、小さく頷く。
「こんなに寒いのに?来ないかもしれないのに?それでも待ってたの?」
心底信じられないという響きが、華夜子の声には含まれていた。
「なんでそんな大変な思いをしてまで待つの?なんでそんなに大変なのに待っていたの?どうして待っていられるの?」
言いながら、歪み始める、彼女の顔。
その口唇は、戦慄(わなな)いているようだった。
「そんなの-」
-理由は、ひとつしかない。
言いたい。
言っていいのかな。
言いたいけど、最後の躊躇をしてしまう。
陸が曖昧に微笑み、言い淀んでいると、華夜子が絞り出すように訊いてくる。
「陸の待ってる彼女は…そんなにまでしても、それでも待つ価値があるひと?」

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