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蕩けるようなキスをして
第57章 クリスマス・イヴ
「約束が五時だったから、それからずっと、待ってた。最初は、待ち合わせの場所だった本屋から。それから歩道を歩いて。向こう側にも渡って。寒くなったら書店に戻って…何度も繰り返しながら、待ってた。彼女を、探してた。…馬鹿みたいだろ、99%来るはずなんかないのに。…それでも。そんな風にしか出来ない男なんだよ、俺は」
勇気がなくって。
電話も。
ラインも。
出来ない。
なくなった約束なのに。
それに頼る事しか。
今日が終わるまで、もしかしたらって、待ち続ける事しか。
かっこ良くなんか全然ない。
寧ろ、かっこ悪い自分に、自虐の笑いが漏れる。
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