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蕩けるようなキスをして
第56章 誰でもない
罪悪感から、ちらちらと視線を送る程度だったが、やがてなんとなく違和感を感じ始める。
気のせい?-もう一度注意して見ていたが、やはり勘違いではなさそうだった。
彼の方はさっきからずっと、積極的に彼女に話しかけているが。
対する彼女の方は、俯き加減で時折頷いたり、否定するように小さく首を振ったりしているだけで、あまり言葉を発してない気がする。
彼は彼女を覗き込んだりしているが、彼女は殆ど、彼の方を向くことがない。
親しい間柄には-ちょっと、見えなかった。
友達とも違うような-あくまでも見た感じでだけの、推測だけど。
疑問に思い始めた時。
突如として、彼が彼女の腕を掴んだ。
しかし強い力ではなかったようで、驚いたような彼女が慌てて振り解けば、簡単に彼の手は離れていった。
そのまま彼女は、彼をその場に置き去りにしたまま、足早にひとり歩道を進んでゆく。
追いかける、彼。
すぐに追いつかれたが、彼女は相手にする事なく、その足の動きを止めない-。
気のせい?-もう一度注意して見ていたが、やはり勘違いではなさそうだった。
彼の方はさっきからずっと、積極的に彼女に話しかけているが。
対する彼女の方は、俯き加減で時折頷いたり、否定するように小さく首を振ったりしているだけで、あまり言葉を発してない気がする。
彼は彼女を覗き込んだりしているが、彼女は殆ど、彼の方を向くことがない。
親しい間柄には-ちょっと、見えなかった。
友達とも違うような-あくまでも見た感じでだけの、推測だけど。
疑問に思い始めた時。
突如として、彼が彼女の腕を掴んだ。
しかし強い力ではなかったようで、驚いたような彼女が慌てて振り解けば、簡単に彼の手は離れていった。
そのまま彼女は、彼をその場に置き去りにしたまま、足早にひとり歩道を進んでゆく。
追いかける、彼。
すぐに追いつかれたが、彼女は相手にする事なく、その足の動きを止めない-。

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