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蕩けるようなキスをして
第50章 吹雪
華夜子は泣きそうになりながら、即座にその場に腰を上げた。
多少不審がられるぐらい、どうでも良かった。
彼がそれが何かを認識していない今なら、まだ間に合う。
急いで走り寄り、彼よりも先に、自分が拾わなければならない。
それは陸の足元を通り過ぎ、やがて彼の少し背後でようやく止まった。
彼女の願いに反し、それを最初に手にしたのは-陸だった。
華夜子が駆け寄るより早く、距離的に近かった陸が歩み寄り、しゃがみ、それを拾った。
その姿勢のまま、陸は暫く、動かなかった。
動けなかった-そう、表現した方が正しいのかもしれない。
華夜子もそれ以上足を進める事は-出来なかった。
しゃがみ込んだまま、何も語らない彼の背中を、固唾を呑んで見守るしかなかった。
互いが互いを想いながら、その場から動けなかった。
どうしたらいいのか分からない-華夜子の胃が、ぎゅっと痛んだ時。
ようやく立ち上がった陸が、こちらを振り返った。
どんな顔をすればいいのか-恐々彼を見れば、予想していたどのものとも違う微笑みを向けられた。
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