この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蕩けるようなキスをして
第50章 吹雪
「…俺、何かした?」
なんでもない風を装い、さらりと訊く。
勿論、彼女を見てなんか無理。
どこに目を通す訳もなく、適当にテキストを捲りながら、陸は問う。
彼女がこちらに視線を向けたのが、気配で分かる。
広げたテキストから顔は離さずに、陸は唇の端を上げる。
こんなにも心の中は、激しく乱れ、どす黒く染まっているのに。
吐き出せもせず、ましてや怒りをぶつけるなんて。
馬鹿なんじゃねーか。
なんで笑ってるんだ-思うけど。
笑うしかない。
「ここ数日、なんか様子がおかしいから。知らない間(ま)に、何かしちゃってたかなって」
深刻にならぬよう、あくまでも軽く。
本当は-本当は、その腕を掴み、強く揺さぶってしまいたいくらいだけど。
なんでもない風を装い、さらりと訊く。
勿論、彼女を見てなんか無理。
どこに目を通す訳もなく、適当にテキストを捲りながら、陸は問う。
彼女がこちらに視線を向けたのが、気配で分かる。
広げたテキストから顔は離さずに、陸は唇の端を上げる。
こんなにも心の中は、激しく乱れ、どす黒く染まっているのに。
吐き出せもせず、ましてや怒りをぶつけるなんて。
馬鹿なんじゃねーか。
なんで笑ってるんだ-思うけど。
笑うしかない。
「ここ数日、なんか様子がおかしいから。知らない間(ま)に、何かしちゃってたかなって」
深刻にならぬよう、あくまでも軽く。
本当は-本当は、その腕を掴み、強く揺さぶってしまいたいくらいだけど。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


