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蕩けるようなキスをして
第50章 吹雪
だけど。
離す気など、毛頭なかった。
陸は再度力を籠めて華夜子の手を繋ぎ直し、彼女の意見など求めず、廊下を突き進んだ。
彼女の纏う、空気が。
彼女の、雰囲気が。
なんだか違う-そう気づいたのは、ほんの数日前だった。
自分の知ってる彼女とは、微妙に違う。
何が。
どこが。
問われたら、説明は酷く難しいのだけれども。
最初は気のせいだと思った。
たまたまだと思った。
でも。
その上手く言い表せない微かなずれは、次第に確証へと変化していった。
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