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蕩けるようなキスをして
第48章 束の間の
突っかかってくる陸に、華夜子は大声でそれを否定する。
「そーいう意味じゃないってば。なんですぐに、いちいち年の事を持ち出してくるかなあ。そんな事、全然言ってないじゃん」
「じゃあなんで、そんな可愛いとかさ…それ、男に使う言葉じゃないだろ。男が女に言う台詞だろーが」
こっちは色々と、本当に我慢してるのに。
なのに、そんな悶々とした気持ちを知ってか知らずか、なんだか訳が分からない事を突然言ってこられ。
腹立たしさに、次第に本気でどうかしてやろうかという思いが芽生えてきてしまう。
「だってさ。大学中の女子の憧れの的の陸がさ。たまに私だけに見せてくれる、完璧じゃない普通の一面が、とっても嬉しくて…可愛いだもん。だめかな、そーいう風に思ってるのって。やっぱ男のひとは言われたら嫌かな?…私はそんな陸が、そんな陸の方が、凄く好きなんだけどさ」
恥ずかしさに視線を逸らす華夜子に、陸の顔も段々と赤みが差す。
今が夜で良かった-これが昼間だったのなら、きっと、隠しようがなかった。
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