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蕩けるようなキスをして
第47章 彼氏彼女
正直な身体が、彼を求め始める。
誰かに見られてしまう-さっきまではあんなに嫌だったのに。
今ではそれすら甘美なスパイスとなり、増々神経を高揚させる。
舌先が絡み取られる都度、甘い吐息が漏れる。
「華夜の『だめ』は『もっと』なんだよな?」
最高に意地悪く囁かれ-しかし、言い返す力は残っていない。
彼女が今どんな状態なのか-そんなの彼はお見通しで。
その緩急つけた舌の動きで、彼女を意のままに操り、完全に屈服させにかかる。
ふたりの関係を変える切っ掛けとなった初めてのキスは、彼女から。
あまつさえ今日も、先に手さえ繋がれてしまったけれど。
付き合い始めての最初のキスは、自分から。
そしてこれからのキスも、自分から。
これだけは譲れない。
これだけは彼女の好きにはさせない。
これからは彼女を好きにするのは自分だ。
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