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蕩けるようなキスをして
第47章 彼氏彼女
完璧に自販機の陰に隠れてる訳でもなし。
ましてや、この自販を利用しようとする誰かに近付かれたら、丸見えもいいとこだし。
こんなとこで嘘でしょ、冗談止めて-彼を押し留めようとするより早く。
陸の腕は彼女の身体を抱き締めた。
「…ひとが来る」
-だから、もう止めて。
懇願するが、即答される。
「やだ」
「やだってさ…」
華夜子は困惑する。
こちらからは殆ど窺い知れないが、ひとの来る気配は今のところはなさそう-だけど。
昼のピークを越え、夕方なので、出入りするひとは多くはないが-毎日、大勢の学生が利用する食堂の入り口だ。
自販機だって同じ。
この一番奥側の自販までは、わざわざ足を運ぶ学生は少ないが-絶対ではない。
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