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第47章 彼氏彼女

陸の問い掛けに、華夜子は心底驚いたように、目を見開く。
「…今じゃないよね？」
「今に決まってる」
「無理に決まってる」
「なんで？」
「なんでって…ここ大学だし。廊下だし。学生が沢山歩いてるし」
－だから、ここでは無理。
やんわり言って聞かせたつもりなのに、何故か拗ねられる。
「…華夜はいつだって俺の先を行って、色んな事してくるくせに。自分は良くて俺はだめってどーいう事だよ」
「え？先？」
－なんの事？
訊き返そうとし、突如として真っ直ぐ進んでいた廊下を、右に曲がられた。
当然、華夜子も手を引っ張られる形となり、有無を言わさず、陸の背を追う事となる。