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どうか、私を愛してください。
第25章 誠二の想い人
だけどその居心地がいい空間が
誠二が――いなくなったら寂しいよ。
誠二は何とも思っていなかったのが悔しかったんだよ。


「円花……」



「誠二……さっきは私っ…」



「本当は俺怖いよ、死ぬの。」



「え?」



「だけど大人の男がそんなこと言うのかっこ悪いしさ。」



「何言ってるの?死ぬって決まったわけじゃない。先生からも説明あったでしょ?」



「……円花の旦那さんのことも聞いた。」



「呼吸器をつければっ……」



「俺はつけない。」



「どうして……死ぬの怖いならつければいいじゃない。子供にだって会うべきよ!どうして皆つけてくれないのっ……」



「円花…それは円花が好きだからだよ。負担になりたくないからだよ。」



「それでも、そばにいてくれれば私はそれでっ……」



「俺円花の旦那さんの気持ちよくわかるよ。自分の介護だけで迷惑かけたくない。しかもいざっていうときに男として何も守ってやれないのが嫌だったんだと思う。こんな風に泣いている円花の涙をぬぐうことも手を握り締めることもできなく自分が辛かったんだと思う。」



「誠二……」



自分の手にそっと置かれた誠二の手は遥人と違って少しひんやりとして冷たいけど気持ちがよかった。




居心地がよかった私たちの生活が少しずつ狂っていく。




お互い人のぬくもりをただ感じるだけでよかった。
何も話さなくていい、ただ寂しさを埋めてくれればそれでいい。
一緒にいてほしいと願う人はお互いに側にいてくれないから
心の隙間を埋めることができるこの距離感がよかったのに
誠二の病気をきっかけに私たちはお互いの入ってはいけない領域に入っていく。



その分居心地は悪くなったけど
お互いの本音が見えて人間らしく感じた。



今までの私たちはロボットのようだったのかもしれない。



「俺、施設に行くよ。」



「え?」



「円花にも迷惑かけれないから。」


誠二が施設に行ったら、きっとこれが最後だと思った。
誠二は施設に行ったら二度と帰って来ない。
そのまま、一生を終える気だ。
誠二が心から思っている人や子供にも会わないまま……
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