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どうか、私を愛してください。
第25章 誠二の想い人
遥人もこんな感じだったのかな?
自分が苦しい思いをすれば、私がまた好きな人を見つけて幸せな人生を歩めると思っていたのかな?
そんなの……みんな苦しいだけだよ。



「それに……子供が大人になったら迎えに行くつもりだから。」



「それじゃ……遅いよ。」



「え?」



「子供が大人になったとき、生きているって保証はないじゃない。私たちみたいに……離れ離れになるかもしれないじゃない。」



「円花……」



「相手がいなくなったら後悔したって遅いんだからっ……」



「……飲みすぎちゃったかな。」



「水飲むか?」



「うん……」



この時私の第六感がざわついた。
第六感というものはないのはわかってる。
だけど、胸の内がざわついて
遥人のことが一気に思い出されたんだ。



「誠二……足…痛いの?」



「え?いや……」



「いつからそんな風に歩いているの!?ねぇ、いつから!?」



「円花?」



遥人と同じ歩き方……
私が誠二と出会ったのはある意味運命なの?
また、私は遥人と同じく誠二を見送らないといけなの……?



「ALS……?」



心配で誠二の診察に一緒についていった。
神様はどうして私から大事な人たちを同じ病で奪っていくの?



「……よかった。」



「よかった…?何で……何でよかったなんて言えるの!?」



「これで苦しまなくてすむから……」



「どういう……こと?これから体の自由が奪われていって……大変なんだよ…っ」



「確かに体は不自由になっていく。だけどココロは自由になれるから。」


「何それ……意味わかんない。誠二の考えていることがわかんない!」



「それは俺もだよ。」



「え……?」



「俺は……体の自由よりココロの自由がずっと欲しかった。だから円花が怒っている意味がわかんない。」



「だって……もういい!!」


いつも家に帰れば電灯がついていてご飯を食べる仲だけど
それ以上でもなければそれ以下でもなくて
傷を舐めあっているような関係に見えるけど
傷さえ舐めあっていない。



だって私たちはお互いのこと
本当に何も知らないから。




傷を舐めることさえできない関係だった。



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