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make a doll~お嬢様は我が愛玩~
第14章 父の帰国~ベクトルが向かう先~
それを聞いた黒野はドクンと胸を高鳴らせた。

「それは困ります」
「何でです?好きになっては困るんですか?」
「困るというか…」

そう言いかける黒野の唇を指で塞いだ片桐。そのまま自分の唇にその指を重ねた。

「やっぱり来て良かった。宜しくね。」

そうしてリビングに戻る片桐を見送ってしまった黒野。

「困った…どうすんだよ…本当に…。」

そうして廊下で立ち尽くしていた黒野の元に神山が心配そうに来た。

「黒野様…?」
「あぁ…神山さん。すみません、準備手伝いますね。」
「お嬢様とのお時間は短く」

そう切り出した神山に対して小さく首を横に振った。
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