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第14章 父の帰国～ベクトルが向かう先～

「黒野様、今宜しいですか？」
「何でしょうか。」

片桐に呼ばれた黒野。リビングで話を聞こうとしていた黒野だが少し躊躇う片桐を察したのか黒野は少し席を外した。

「こちらでお話を聞きますが？」
「愛良様と何かあるのですか？」
「"何か"といいますと？何を言うのでしょう」
「今朝初めてお２人に会った時に何か空気感というか…」
「それは思い過ごしでございます。最大に信頼して頂けております故そこは彼女に感謝しておりますが。」
「なら…私社長から聞いてた事…望んでも良いですか？」
「どう言った事…」
「婚約者として…私あなたと向き合います。」

そう笑いかけた。