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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第33章 第十三話 【花残り月の再会~霞桜~】 其の弐

互いの息遣いさえ聞こえそうなほど近くに、男の整った美貌が迫っていた。
「心からそう言い切れるとでもいうのか?」
市兵衛の声や吐息が蛇のように耳にまとわりついてくる。お彩は怯えて固く眼を瞑った。まるで自分が彼の餌食にされるかのような気分になった。
市兵衛は顔を近づけたまま、何度もお彩の顎の線を撫でる。お彩にいっそう顔を近づけたその一瞬、お彩の頬に市兵衛の唇が触れた。
熱い感触が首筋を這い始める。鎖骨近くにかかっていた熱い息が次第に昇ってくるのを感じながら、その熱さを怖いと思った。
耳の裏側を急に舐め上げられ、お彩は小さな悲鳴を上げ、市兵衛の胸を手で押した。弾かれたように市兵衛から離れる。
「心からそう言い切れるとでもいうのか?」
市兵衛の声や吐息が蛇のように耳にまとわりついてくる。お彩は怯えて固く眼を瞑った。まるで自分が彼の餌食にされるかのような気分になった。
市兵衛は顔を近づけたまま、何度もお彩の顎の線を撫でる。お彩にいっそう顔を近づけたその一瞬、お彩の頬に市兵衛の唇が触れた。
熱い感触が首筋を這い始める。鎖骨近くにかかっていた熱い息が次第に昇ってくるのを感じながら、その熱さを怖いと思った。
耳の裏側を急に舐め上げられ、お彩は小さな悲鳴を上げ、市兵衛の胸を手で押した。弾かれたように市兵衛から離れる。

