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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第31章 第十二話 【花見月の別れ】 其の弐

その夜、夕飯時のことである。お彩はおきわの傍で簡素な飯を取っており、おきわは床の上に起き上がり、粥をすすっていた。お美杷はその前にたっぷりと乳を呑ませているので、ぐっすりと眠っている。
お彩が具の殆どない味噌汁を飲み終えた時、おきわが突如として片手で胸を押さえた。
「おきわさん?」
お彩は驚愕した。空になった汁椀を投げ捨てるようにして、おきわの許へと駆け寄った。
おきわの口許を覆った手のひらの指と指の間から、ぽたぽたと血の雫がしたたり落ちる。
お彩は息を呑んだ。
「おきわさん、大丈夫ですか?」
烈しく咳き込むおきわの背中を必死に撫でさすりながら、お彩は、おきわに問うた。
お彩が具の殆どない味噌汁を飲み終えた時、おきわが突如として片手で胸を押さえた。
「おきわさん?」
お彩は驚愕した。空になった汁椀を投げ捨てるようにして、おきわの許へと駆け寄った。
おきわの口許を覆った手のひらの指と指の間から、ぽたぽたと血の雫がしたたり落ちる。
お彩は息を呑んだ。
「おきわさん、大丈夫ですか?」
烈しく咳き込むおきわの背中を必死に撫でさすりながら、お彩は、おきわに問うた。

