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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第31章 第十二話 【花見月の別れ】 其の弐

障子戸を細く開けて、そっと覗いてみると、信じられない光景が眼前にあった。おきわがお美杷に何やら指し示しながら、話しかけている。お美杷は眼を醒ましているようで、おきわの指した方を見て、歓声を上げていた。
おきわの指し示した方には、小さな箪笥が置いてあり、その上には一対の雛人形が置いてあった。
もうかなりの歳月を経ているものらしく、人形の衣装も色褪せ古びてはいるけれど、元は高価な品のようで、作りもしっかりとしていて衣装も立派だ。
そういえば、今は折しも雛の節句の季節だけれど、この雛人形は、別段この季節にだけ飾られているわけではなく、年中出しっ放しにしてあるのだという。
おきわの指し示した方には、小さな箪笥が置いてあり、その上には一対の雛人形が置いてあった。
もうかなりの歳月を経ているものらしく、人形の衣装も色褪せ古びてはいるけれど、元は高価な品のようで、作りもしっかりとしていて衣装も立派だ。
そういえば、今は折しも雛の節句の季節だけれど、この雛人形は、別段この季節にだけ飾られているわけではなく、年中出しっ放しにしてあるのだという。

