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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第24章 血の因果( インガ)

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《 …兄さんが猫を殺した理由は何だと思う? 》
「…ッ……ぁ…? 」
ふいにミレイの頭にスミヤの言葉がよみがえる。
《 好きだから、殺したんだ 》
スミヤに教えられたばかりの…謎めいた真実。
それを思い出し、カルロの名を呼ぶ彼女の声が途切れた。
“ カルロさんも、同じ…なの? ”
そんなわけないと、認めたくない想いが勝手に溢れていくけれど
今の肯定も否定もしないカルロの横顔を見れば、…認めざるを得ない。
「そんな……」
ミレイは立ちくらみに似た感覚に襲われて、後ずさりながらカルロから離れた。
開け放たれたままの扉に背をついて、じっと彼に目を向ける。
「……フッ」
それを見たヒデアキが笑うと
「クク‥」
同じ様にカルロも笑った。
二人が浮かべた黒い笑みは瓜二つ──。
まさに親子のそれであった。

