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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第24章 血の因果( インガ)

ヒデアキは今までに多くの女を愛してきた。
実力と人望を併せ持つ彼の周りには、魅力ある女がいくらでも集まる。
カルロ達の母親は、儚げな雰囲気で人を惹き付ける絶世の美女であったし
ハルトの母親は、誰からも愛される可愛らしさと底抜けの明るさを持った女だった。
だが枢木アンナほど彼の心を奪った女はいなかった。
彼は本気でアンナに惚れ込み──
アンナの全てを自分の物にしたいと願う。
そうして行き着いた愛の皃( カタチ )。
それは、彼女の全てを自分の手で奪うこと…。
「──…君が信じないのも無理ないが…。
では、隣の男に聞いてみたらどうだろうか。
君がその腕にすがっている男だ 」
「……!!」
「…っ…カルロさん?」
首を横に振るのをやめないミレイに、優しい声色でヒデアキが提案した。
ミレイは顔を上げる。
自分が腕にすがっている男──動かないカルロに向かって、またしても腕を揺すりながら問いただした。
「…カルロさん…!! …こんなの、変ですよね?おかしいですよね?」
「──…」
「…ッねぇ!? そうでしょう?カルロさ…──」
カルロはやはり、何も答えなかった。

