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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第24章 血の因果( インガ)

父が息子に話しだす。
「思った通り…お前も私と同じなのだ」
「……」
「──…では質問を繰り返そうか?カルロよ…、彼女の首に付いている紅い痣は、お前の仕業なのか」
「……ふん。…俺ではない」
スッ─
カルロは答えると同時に
腰のベルトに下げている短銃を取り外し、その銃口を部屋の中の男へ向けて構えた。
カチンと安全装置を解除して
的をしっかりと見定める。
「ほぉ?…何をしている?」
この行動を予想していなかったのか、銃口を向けられた当人は愉しげだ。
「…残念だったな」
カルロは銃を構えたまま、整った顔に邪悪を映し込んだ表情で、相手を嘲笑った。
「俺はあんたとは違う。俺は…何にも執着しない。……誰のひとりも、愛さない」
しかし邪悪でありながらも、一寸の切なさを隠しきれない瞳をしている──。
「俺は決して、あんたと同じ真似はしない…」
ここで全てと、訣別( ケツベツ )してやる。
彼の瞳はそれを語っていた。

