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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第24章 血の因果( インガ)

こういう時、普段のカルロならラクな道を選ぶ。
つまり──面倒事に首を突っ込むのはやめて立ち去るだろう。
しかし、今の彼はそうしなかった。
もっとも…胸元の服を固く掴んでいるミレイがいるので、どちらにしても彼女を置いてはいけないのだが。
「あんた…」
父に問うてもらちが明かないと判断し、カルロはミレイに話の矛先(ホコサキ)を向ける。
「あんた、何かされたのか」
「……な、何も…ッ されてないです」
「……」
可笑しな事だ。
では何故、彼女はこんなに震えているのか。
「本当の事、言いなよ」
「本当です…っ、理事長は何もしてない。ただ、怖くて」
「ただ、怖い…!?」
カルロは苛立ちを隠せずに語尾を逆立てた。

