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琥珀色に染まるとき
第12章 幸福な憂心のまま

「お、く……奥がいいの!」
両腕を伸ばして彼の腰を掴み、自ら腰を浮かせぐいぐいと締め上げれば、目の前にある端正な顔が妖しく歪んだ。
「あぁ……っ、知ってるよ」
喘ぎながら答えた彼が口角を上げた直後、ずん、と深いところを突かれた。
「あああっ!」
下腹部から全身を貫いていった快感に思考が停止し、視界が白くなる。そこからはもう、喉が枯れ果てるまで嬌声をあげ続けるしかなかった。彼の熱と力強い腕の感触がかろうじて意識を保たせてくれるが、その切迫した声は徐々に遠のいていく。
「涼子っ……」
「あ……あ……」
声にならない声とともに、目尻から溢れたものがこめかみを伝い落ちる。それを唇で拭ってくれた彼は、愛おしそうに微笑み、囁いた。
「一緒にいこう」
互いの気配だけで満たされた薄暗闇の中、もっと彼のすべてを求め、もっと自らのすべてを捧げ、底なし沼に沈むようにもっと一つに交じり合えたら、ふとした瞬間に立ちはだかる漠然とした恐怖にも打ち勝つことができるだろうか。
「にし、じま、さ……」
たくましい腕に強く抱かれながら、ほとばしる欲望を体内に受け入れる。収縮を繰り返す自分の中で、何度も自分を頂へ導いた愛しい猛獣が脈動し、果てていく。
「りょうこ……りょうこ……」
熱に浮かされたように自分を呼ぶその声を聞きながら、現実味のない幸福感に満たされるこの瞬間を永遠に感じていたい。霞んでいく視界が闇に包まれるまで、涼子は切にそう願った――。

