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琥珀色に染まるとき
第12章 幸福な憂心のまま

「……涼子」

 朦朧とする意識の中に優しい声が漂い、横にひねったままの首を戻すと、そこに彼の微笑があった。

「いいか、少し動かすぞ」
「あ……っ」

 交差して重なる互いの脚を、ゆっくりともとに戻された。身体の両傍に手をついた彼が上から見下ろしてくる。

「だっ、だめ」

 力の入らない腕で彼の首にすがりつき、その大きな身体を引き寄せてベッドに沈む。

「まだ動いちゃだめ……」
「はいはい」

 そう穏やかに笑いながらも、彼はときおり眉を寄せては色っぽいため息を漏らす。それに伴い、彼の分身が中でぴくりと反応する。

「すごいな、まだ吸いついてくる。もっと欲しいって」
「……っ」

 ゆるゆると首を左右に振って意地悪な言葉を咎めるが、とろけた身体はどこもかしこも性感帯になり彼を求め続けている。中にいる彼自身がそれを最も理解しているのだろう。
 やがてゆるい抽送が始まり、徐々に激しさを増すと、敏感な蜜壁は勝手に絶頂への意思を示し出す。腰はがくがくと震える。

「やん! あっ、ああっ!」
「はあっ……りょう、こ……」

 荒い息遣い、苦しげな声とともにきつく抱きしめられ、反り返った首筋に湿った唇が吸いついてくる。その感触が喉、顎に上がり、唇に達すると、欲望と愛に満ちたその瞳を見つめながら舌と舌を絡ませた。

「ん、ぁ……っ」

 切なそうに細められた目、火照った身体、打ちつけられる腰。まだ足りない。彼のなら容易に届くはずの深い場所に、彼はそれを当ててくれない。

「ああっ、もっと……」
「うん。もっと?」

 熱い吐息混じりにかけられたその低い声は、激しく揺れる身体に合わせて震えていた。
 乱れる呼吸、充満する熱気、甘美な水の響きが正気を失わせた。

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