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琥珀色に染まるとき
第12章 幸福な憂心のまま

 硬い漲(みなぎ)りが、奥をさらに押して最深部に達した。彼は腰をわずかに引いたり押したりを繰り返す。

「んん、あっ、あぁん」

 突くのではなく、持続的に最奥を巧みに圧される刺激に、自然と甘えの嬌声がこぼれた。

「く……っ、はあ……」

 締まる蜜壁の中で、彼も同じように感じてくれているのだろうか。耳元で深く吐かれた彼の熱い息が鼓膜を振動させ、甘い痺れのように全身を縛っていく。
 涼子は彼の広い背中に爪を立て、容易に絶頂へと駆け上がろうとしている意識に身を任せた。

「ああっ! もうっ……」
「いいよ、いけ」

 耳を撫でる熱い唇と色めいた低音に急かされ、飽和状態だった脳内がパンクした。

「あ、あっ、いっ……く、んんーっ!」

 下腹部から全身へ広がる深い快感にぼんやりする頭の中、不随意に痙攣する太ももを撫でられた。

「あっ、だめ……触らないでっ」

 こそばゆさに小声で拒否するも、その大きな手は汗ばんだ肌を愉しむかのようにわき腹を撫で上げる。

「あぁんっ」
「ん? また軽くいったな」

 口角を上げた彼は、繋がったままで上体を起こす。

「やっ……ん」

 その微動だけで反応してしまい、また彼の微笑を誘った。

「可愛い」

 片脚を高く持ち上げられ、彼の肩に乗せられる。松葉が交差するように互いの脚が重なり合った。より深い挿入感に、涼子はシーツを握りしめて身悶える。

「ああっ……!」

 濡れた股間同士がこすれ、最奧を押し揺さぶされる。ぶるぶると震える胸を片手で揉みしだかれる。薄暗い空間というある種の安心感の中、容赦なく与えられる刺激になりふり構わず応えた。

「やあんっ! 西嶋さぁんっ」
「涼子……っ」

 ほどなくして、また大きななにかが押し寄せ、視界が霞む。

「……っ!」

 電流のごとく全身を快感が走り抜け、激しい痙攣に襲われた。

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