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琥珀色に染まるとき
第12章 幸福な憂心のまま

「西嶋さっ、あぁ……気持ち、いい……」
「ああ……いいね」

 下から手を握って支えてくれる彼は、淫らに蠢く下半身を余裕の表情で眺めている。

「やっ、んん……」

 羞恥のすぐあとから這い上がってくる快感の波に身を委ね、涼子は首を反らし喘いだ。こうして自ら勝手に昇りつめていくさまを見守るのが彼は好きなのだと、昨夜学んだばかりだ。
 前後の動きに合わせて、彼が腰を上げ下げする。握っていた手を離すと涼子の腰を掴み、タイミングよく引き寄せる。

「あっ……や、あっ……」

 より奥に食いこまれる感覚に身をよじりながらも、おのれの快楽を求めて彼の上で淫らに舞う。やがて、彼の涼しげなまなざしにも熱がこもり始めた。
 涼子はM字に大きく開脚し、今度は上下にゆっくりと動いた。硬い猛りの先端付近まで抜き、根元までずぶりと沈める。それを繰り返しながら彼の引き締まった腹をするすると撫でれば、腹筋がぴくりとこわばる。

「……っ、涼子」

 こらえるように眉間にしわを寄せるその色っぽい表情が、さらに興奮を加速させた。結合部で粘膜がぶつかる音が速まる。

「西嶋さん、も……気持ちよく、なって……あっ、あっ」

 身体が跳ねるたびに上下に揺れる胸のふくらみを鷲掴みにされ、揉みしだかれる。強めの力が物語るのは、余裕のなさか。

「私ばっかりじゃ、なくて……っ、一緒に、あぁ……んん……」
「ばかだな。俺がどれだけ、我慢してると」

 思ってるんだ――言いながら上体を起こした彼の瞳には、ぎらついた光が宿っている。
 彼が覆いかぶさってきた。その右手は頭の下に入れられ、左手で尻を支えられる。大きな身体で抱えこむようにされると、心地よい重みの下、言い知れぬ充足感に包まれた。

「西嶋さん……」

 その頭に手を伸ばし、そっと引き寄せる。意図を理解した彼は優しく微笑み、熱く溶けるようなキスを降らせた。

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