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琥珀色に染まるとき
第12章 幸福な憂心のまま

「あぁ……来て、早く……」
「涼子」
誘うように腰を揺らす淫らな要求に、彼はそれ以上焦らすことを諦め、蜜口にゆっくりと押し入ってきた。指で慣らすことなく与えられる圧迫感に、思わず身体がこわばる。
「こら、力抜け」
優しい囁きと甘い口づけ。その広い肩にしがみついて受け入れる。
「んん……」
唇も身体の中もとろけていくと、やがて音を立てて唇が離された。至近距離にあるその瞳の奥に宿る昂りを感じた瞬間、男の欲望の化身が一気に中心を貫いた。
「……っ!」
下腹部から全身へ広がった、息もできないほどの快感。口を開けたまま一瞬声を失った直後、涼子は悦びのため息を漏らした。
奥まで侵入した彼は、なにかに耐えるような息を吐き出すと、上体を起こして荒々しく服を脱ぎ捨てた。あらわになった上半身から、ぶわりと色香が撒き散らされる。
男らしい首筋、浮き出た鎖骨、広い肩幅、たくましい胸板、引き締まった腹筋、そして互いの茂みの下で蜜壺の奥に突き立てられた、彼の分身。それが自分の中を出たり入ったりするさまを目の前で見せつけられる。
「いやぁ……もっと、もっと……」
わざと浅いところを突かれ、もどかしさばかりが募る。彼の分身に中をかき回されるよう、涼子はソファーに足の裏をつけて自ら腰を浮かせ、ぐりぐりと回しながら懇願した。
悩ましげに呻いた彼は、意地悪な笑みを浮かべる。
「もっと?」
「奥、に……」
「こうかな」
けだるげなかすれ声とともに、熟知された快感のスポットを突かれる。
「ああっ」
彼を包む壁が、悦んでそれを締め上げる。
「涼子。まだ、だめだ」
妖艶な笑み。再び浅く、ゆるくなる刺激。
「いや……っ、それ、いやなのぉ……」
「どうして?」
だって、と言いかけた隙にまた深く、するどく。
「ああっ! ん、ん、あぁ……」

