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琥珀色に染まるとき
第12章 幸福な憂心のまま

 彼の口から離された細い紐が、脚の付け根を伝って滑り落ちる。右側の結びも同じようにほどかれると、小さなレース生地は恥丘の茂みをはらりと降りていった。
 ついに晒された淫処。彼の唇からは喘ぎのようなため息が漏れる。指で花弁を開かれ、その熱い視線に犯され、奥からどろりと愛液が押し出されるのがわかった。

「ああ……溢れてきたよ」

 そう言ったあとに、わざわざ目を合わせてくる意地悪な男。

「や、だ……」

 涼子は顔をそらし、きつく目を閉じた。不意に、割れ目から秘芯に沿ってべろりとひと舐めされ、予想していなかった強い刺激に大きく腰が跳ねた。

「ああっ!」

 中がひくついている。彼はそれに気づいているのか、濡れすぎた淫処を上下に行き来しながらもときおり、蜜壺の入り口にぬるりと舌をねじ込ませてくる。
 まるで、ここに本当に挿れてほしいのはなんだ、と問われているかのようだ。しかし最も求めている刺激はいっこうに与えてくれない。

「だ、め……っ、もう……」

 限界だった。いや、限界などとっくに通り越していたのかもしれない。

「欲しいのっ、西嶋さんの……お願い……!」

 震える声で、淫らな言葉を叫んでしまうほどに。

「……っ、はあ……」

 彼の荒い呼気の直後、圧を増した舌の動き。淫処にうずめている顔を左右に振って、秘芯を集中的に攻められる。

「あっ、あああっ」

 劣情をそそる水音と彼の悩ましげな唸り声とともに、ズボンをずらす音が聞こえた。避妊具を着けているのだろう。

 蕾への刺激だけで達しそうになる瞬間を見計らったように、ふっと舌の動きが止んだ。股の間から顔を上げた彼は、愛液に濡れた口元を手の甲で拭うと、中腰で覆いかぶさってくる。
 唇についばむようなキスを落とされ、同時にあてがわれたそれ――秘裂を滑る、硬い熱情。

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