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わたしの肢体
第2章 秋芳 善(15)
 善は部活の練習に出たいがために、ちゃんと授業を最後まで受けた。
 善が3年間1日も学校を欠席しなかった理由はそれだけで、それ以上でもそれ以下でもない。

 放課後は身体が弾んで仕方がない。
 部室で仲間たちと合流し、着替えてグラウンドに出る。
 黒いTシャツの背中には黄色い文字で"NO RUGBY, NO LIFE"とプリントしてある。
 そのTシャツは善の代名詞といっても過言ではない。

 下に着用している黒いカンタベリーの短パンは父親から譲り受けた。
 地元のスクールでボランティアコーチをしていた頃のものらしく、だいぶくたびれてしまっているが、それでも善は気に入って毎日着用している。


 なぜなら、その短パンを穿いているあいだだけは、自分が父親の本当の息子だと思える気がするからだ。


 だから善は泥だらけになって、脱臼骨折を繰り返してもなお、グラウンドを走り続ける。
 

 例え仲間たちが素行不良の集まりで、まるで練習にやる気がなく、試合で一度も勝てた試しがなくても、初めて父親に連れられグラウンドに立った日からずっと、自分の存在意義を見出すために。




「ただいま」



 夕日が沈んだ頃、善は泥だらけで帰宅した。
 手に持った泥だらけのスパイクを汚れたスニーカーが山のように積み重なった玄関に放り投げ、リビングへ足を進める。途中、汚れたストッキングを片足ずつ脱ぎながら。
 
 
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