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わたしの肢体
第1章 新本一花(13)
針が揺れている。
ゆらゆら揺れる蝋燭の炎が灯し出すオレンジ色の光の中で。
女のからだにふたつ存在する山の上にある。
その頂点を茶色く彩る突起に突き刺さった、針が。
1本、2本、3本、4・・・。
数える気が失せるほど無数に突き刺さった太くて長い針が、女の呼吸に合わせてゆらゆら揺れている。
「ほらぁ、気持ちいいんだろ?」
静寂に低い呻き声が聴こえる。
襖戸の隙間の向こうから。
「嫌だ嫌だって言うけどさぁ、ほんとは好きなんだろ?」
へらへら笑う若い男の声が六畳間に響き、天井を経由して台所にまで届く。
蝋燭の炎にきらきら反射するステンレス針。
煎餅布団の上で仰向けに転がっている女の、針山みたいになった乳房。
手首を頭上で雑に拘束され身動きが取れない年老いた女の体の上に覆いかぶさる、骨と皮の身体が毛で覆われた、生まれてこのかた髪を梳いたことがないのかと疑念を抱くほどぼさぼさした頭の、若いだけが取り柄の、男。
「痛いのがきもちいーんだろぉ?」
ゆらゆら揺れる蝋燭の炎が灯し出すオレンジ色の光の中で。
女のからだにふたつ存在する山の上にある。
その頂点を茶色く彩る突起に突き刺さった、針が。
1本、2本、3本、4・・・。
数える気が失せるほど無数に突き刺さった太くて長い針が、女の呼吸に合わせてゆらゆら揺れている。
「ほらぁ、気持ちいいんだろ?」
静寂に低い呻き声が聴こえる。
襖戸の隙間の向こうから。
「嫌だ嫌だって言うけどさぁ、ほんとは好きなんだろ?」
へらへら笑う若い男の声が六畳間に響き、天井を経由して台所にまで届く。
蝋燭の炎にきらきら反射するステンレス針。
煎餅布団の上で仰向けに転がっている女の、針山みたいになった乳房。
手首を頭上で雑に拘束され身動きが取れない年老いた女の体の上に覆いかぶさる、骨と皮の身体が毛で覆われた、生まれてこのかた髪を梳いたことがないのかと疑念を抱くほどぼさぼさした頭の、若いだけが取り柄の、男。
「痛いのがきもちいーんだろぉ?」

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