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eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

「しょう君……」
美名は手紙を胸に抱いて、前を見据える。
「……げっ。駐車場混んでやがる」
第2ゲートより侵入して道路標識の案内に沿って進み、ターミナルの車両乗降場で停車した。
「駐車場を探してたら間に合わなくなるな……」
「真理くん、私行ってくる」
美名はシートベルトを外し、ドアを閉めた。
「大丈夫か?美名」
「うん!……待っててね」
「翔大に"バカヤロー"て言っとけ~!」
真理が運転席で叫ぶ。美名は、手を振り、走った。
カートを押す老若男女、様々な人々が溢れ返っている。あちこちで別れや再会のドラマが繰り広げられていた。
出発時間まであと……何分だろう、時計を見ようとした時、聞き覚えのある声が響いた。
「美名!」
振り返ると、レザージャケットに黒の帽子を被った翔大が庄森と聖恵と一緒に居る。
「しょう君……!」
「美名!」
二人は駆け寄り、どちらからともなく手を握り締めて見つめあった。

