この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

長い間掛けた事の無い番号。
一緒にデビューする事になり番号を交換して……
道を違えてからは、連絡を取り合う事は無かった。
呼び出し音が三回鳴って、翔大が出た。
『……美名?どうしたの?』
優しい声色が耳を擽った。
「し……しょう君……あ、あの……この小切手!どういう事?こんな……」
『ああ、気にするなよ……それは俺からのお詫びだから……他に思い付かないからさ……好きに使えよ』
翔大の電話の声が遠くて途切れ途切れだった。
それに、やけに周りが騒がしい。
「そんな事言われても困……あっ!しょう君、明日出発するの?」
一瞬間が空いてから、翔大は答えた。
『ああ……実は予定が早まって、今日になったんだ』
「今日――!?」
美名は愕然として時計を見る。

