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第53章 暴かれる秘密

　翔大は微動だにしない。
　余裕だとでも言うように西野を涼しい顔で見つめ、きっぱり言った。

｢……やっぱり貴女は……美名には勝てない。……音楽に対する心根や姿勢……それに何よりもハートが美名の方が強い……
　何度踏みつけられても、美名は立ち上がるんだ……俺に傷つけられても、見事にデビューを飾った様にね。
　貴女は、何をそんな風に怯えているのかな……攻撃性は、強さではなくて弱さの顕れですよ｣
｢はあ？……何いっちゃってんの！？このレイプ男！アハハハ！｣

　西野は口に手を翳してヒステリックに笑ってからコロッといつもの可憐な笑顔になり、奥に座っている男にウィンクをした。
　二人を振り返ると、低い声で呟く。

｢……その強いハートは、どこまでもつかしらね？｣
｢ど、どういう意味だよ！｣

　真理が西野に噛みつかんばかりの勢いで言い返した。