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第53章 暴かれる秘密

｢知ってるのか……ああ、元カレだもんな｣
｢ああ……でも……秋に出会って、次の年の春になる頃に別れたから……祝った事はない｣

　翔大と真理がグラスを軽くぶつけ合うと涼しい音が鳴った。
　一口含んで真理は微かに笑う。

｢これもなかなかだな！何だっけ？ね……ネズミ……？｣

　翔大は吹き出す。

｢何故そうなるんだよ……ネグローニだよ。八月の誕生酒らしい｣
｢へえ～！｣

　真理は感心したようにしきりに頷いた。