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それでも大好きなんだーっ!
第5章 大和撫子、豹変⁉︎
「うさ?」

「あ!」

怪訝な翼の声に、うさこはハッと我に返る。


(私、何言っちゃってんの!つーくんフォルダを増やしたいって頼み込んだのは私なのに…)

慌てて構えた携帯のカメラは、その心を隠し切れずに大きく震えていた。


(私には無いもの……つーくんに、触れて…欲しく、な…い……)

うさこと翼の様子なんて気にも止めず、翼を貪る夏帆。

その動きに合わせてゆさゆさ揺れる豊満な胸に、うさこの心がズキズキと痛みを増す。


「や、ああっ、気持ちいっ」

グチュグチュ響く水音。

(聞きたく、ない……)

涙で視界は歪むのに、付き合う約束を果たすためにも目を逸らせない。


「う、さ…っ」

熱い視線でうさこを見つめる翼。

「ダメッ、ダメダメっ、イッちゃう‼︎ 」

そんな翼を貪る夏帆。


「や、だ…っ」

(見たく、ない……っ)

うさこの声が溢れたと同時に、

「あ、ああっ、あ─────…っ」

夏帆が脱力した。


カタン…携帯を落とすうさこ。

お宝フォルダを、本当に宝物にしていたうさこ。

その宝物を床に落としたまま、拾おうともしないうさこ。


「うさこ?うさこ?どうした?」

慌てて駆け寄った翼は、涙目のうさこを心配そうに見つめる。


「つーくん…っ…好き、好きなの……」

うわ言のようにそう繰り返して、うさこは翼に唇を寄せる。

「うさ…」

触れ合った唇は、激しさを増しながら何度も重なり合う。


(その女とは…キスするの⁉︎ )

明らかに拒まれたキスを思い返し、顔を歪める夏帆。

ギリッと奥歯を噛み締めた。


ズカズカと2人に近付いた夏帆。

「翼と他の女がエッチするの、許せなくなったんでしょ⁉︎ 」

翼の身体から、うさこを引き剥がす。

「……っ……」

バクバクと、うさこの心音は正直に焦り始めた。



”浮気を止めない代わりに、それを覗くことを許して下さい。あ、あと!写真や動画を撮ることも許して下さい”


翼と付き合いたいと…

翼を撮りたいと…

軽くそう言った自身の言葉を、こんなにも後悔する日が来るなんて……

うさこは唇を噛んで俯いた。


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