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それでも大好きなんだーっ!
第5章 大和撫子、豹変⁉︎
……シ…─────…ン……

静かな医務室内。

勇気を出して覗いたベッドは……空だ。


「良かった…」

ホッとして呟けば、少しだけ胃痛も和らぐ。


(胃薬もらって…横になってれば治る……かな)

薬棚に並ぶ薬から胃薬を探し、口に含んで無理矢理飲み込む。

空のベッドは冷たくて、

( ”使用後” ではなかった……)

安心して布団に丸まった。

布団が暖まれば、ウトウトし始めるうさこ。

(つーくん…と……別れ…な…い……ため……に…………)

考える間もなく、眠りに付いていた。



──────────……

─────…

(ん……?)

話し声が聞こえた気がして、うさこはゆっくりと目を覚ました。

見慣れない天井に首を傾げ、まだぼんやりする頭が ここは医務室だ と思い出す。


「ね、ここで…シませんか?」

ようやく動き出したうさこの頭と身体。その耳に届いたのは、

(……もあちゃん?)

もあの声。しかも、かなり弾んだ声だ。


(誰と、いるの?)

ゆっくりと身体を起こし、覗く隙間を作ろうとカーテンに触れたうさこの耳に、

「ここにうさこがいるって呼びに来なかった?」

(─────…つーくん⁉︎ )

うさこが翼の声を聞き違えるはずがない。

確かに、翼の声が届いた。


(なんで?なんでもあちゃんと⁉︎ )

慌てて身体を布団に潜り込ませ、うさこは頭まで布団を被る。


「……いたって浮気を止めないんでしょ?なら関係ないじゃないですか!」

もあの言葉に、うさこの心臓が嫌な音を立て始めた。

(ここで?つーくんと?もあちゃんが?)

浮気を止めないと言った。

だけど……本心では浮気を止めたい。

まして、友達だと思っていた もあ との行為なんて……

(やだ…っ…やめて!)

ジワッと膜を張る涙を、うさこは布団で押し拭く。


逃げ出したいのに逃げ出せない。

絶対に見たくない……聞くのも嫌な組み合わせ。

どれだけ布団を耳に押し当てても、その上から両手で押さえても、耳に届く2人の声に、うさこは静かに涙を零すしかなかった。

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