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それでも大好きなんだーっ!
第5章 大和撫子、豹変⁉︎
2人の様子に満足げに笑った多佳子は、

「翼、行こ?」

翼の腕を引いた。


「…………」

引き止めたくても、うさこ自身、自分の立ち位置がわからない。

(ダメダメ!脱ネガティブ!いつものキャラで、つーくんを笑わせられなきゃ!このままじゃ飽きられちゃう)

先程の多佳子の言葉が頭の中を渦巻く。

(あーっ!いつもの私ならどうしてた⁉︎ 浮気は許すから付き合ってなんて言っておいて、今ここで引き止めたら完全終わっちゃう⁉︎ )


唸りながらジタバタしながら悩むうさこを見る翼の瞳は優しいのに、

「うさ…」

ずっと俯いて目を閉じていたうさこは、翼の声に驚いて俯いたまま目を開く。


そして、

「ごっ、午後の講義が始まりますので!あのっ!し、ししっ、失礼します!」

翼の方を見れないまま、注目を集める教室内から逃げ出した。

が、

「うさ!」

足の長さも足の速さも翼の勝ち。

廊下に出たところで、うさこの腕は翼に掴まえられた。


「……待ってるから。ちゃんと話そ?」

「……っ……」

恐る恐る見上げた翼の瞳は優しくて、

うさこが小さく頷けば、その腕は優しく…名残惜しげに離される。


(そうだ……”別れたくない” って、つーくんも言ってくれたんだ……)

翼の瞳は今までと変わらなくて、うさこの顔に少しだけ笑みが戻る。

なのに、

「私は待たないから」

うさこの横を通り過ぎる多佳子は、翼に聞こえないような小声でうさこに告げる。


「この時間、保健医 不在なのよね」

「……っ……」

「 ”勘違い彼女” さん、邪魔しに来ないでね?」


翼の腕を引き、歩き出す多佳子。

何度もうさこを振り返る翼の表情は優しい。

その口元は、パクパクと何かを訴えるように動いていて…

(……勉強、頑張って…?)

翼からの口パクのメッセージを読み取ったうさこの口元は、少しだけ綻んだ。


─────なのに、


(上手くいかない時って、あちこち全部上手くいかない……)

教室に入った途端、鋭い視線に囚われる。


「あの…もあちゃ…っ」

フンッ!という音が聞こえた気がするほど、勢い良く逸らされたもあの顔。

隣のくるみはずっと、うさこを睨み付けていた。

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