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それでも大好きなんだーっ!
第5章 大和撫子、豹変⁉︎

「ちょっ、ちょっと!もあ!」
くるみが周りを気にしながら もあ の肩を叩けば、我に返ったもあは大きな声を出した恥ずかしさに益々うさこを睨む。
(つーくんの彼女に相応しくないって……そんな言い方……)
困惑の表情を深めるうさこは、
「も、もあちゃん…っごめん……」
思わずまた謝っていた。
「利用価値のないあんたなんかもう友達でも何でもないから!勝手にしな!」
捨て台詞を残し、もあが走り去る。
その後ろを慌てて追い掛けるくるみ。
2人の背中を見送りながら、
(利用…価値……?やっぱり もあちゃんはつーくんのことが……?)
鉛を含んだかのように重たくなったうさこの思考の中で、たった一つ揺るぎない気持ち…
「別れ、たく…ないよ……」
俯き、消え入りそうな声になりながらも、うさこはその気持ちを呟いていた。
「……話は終わった?」
予期せぬ声主に、
「ひゃっ⁉︎ つーくん⁉︎ 」
うさこは弾かれたように顔を上げる。
急に間近に現れた端正な顔に赤くなるうさこだが、
「深刻そーだったから待ってたんだけど」
その言葉に、
(き、聞かれた⁉︎ )
慌てたように叫んだ。
「わ、私はつーくんと別れたくないよ⁉︎ 」
「ん?俺もうさと別れたくないよ?」
「つーくん!」
抱き着くうさこを抱き締め返し、
「こんなくだり、さっきもあったね」
クスクス笑う翼。
そんな翼に、うさこはギューギュー締め付けられる胸を押さえる。
「うさ、午後も講義ある?」
「うん、昼休みの後にあるよ。つーくんは?」
「俺はもうないよ。今日はバイトもないからさ…」
言い掛けた翼に、
「つ・ば・さ♡」
「多佳子?」
うさこの苦手な多佳子が纏わり付くように抱き着いた。
(うわ、多佳子さん!)
うさこの身体が強張る。
「暇つぶし、付き合ってあげてもいいよ?」
そう言って、多佳子は翼の頬に唇を寄せた。
「……っ……」
翼とうさこが同時に息を飲む。
翼の頬に残った真っ赤なルージュの痕に、うさこは顔を歪めた。
くるみが周りを気にしながら もあ の肩を叩けば、我に返ったもあは大きな声を出した恥ずかしさに益々うさこを睨む。
(つーくんの彼女に相応しくないって……そんな言い方……)
困惑の表情を深めるうさこは、
「も、もあちゃん…っごめん……」
思わずまた謝っていた。
「利用価値のないあんたなんかもう友達でも何でもないから!勝手にしな!」
捨て台詞を残し、もあが走り去る。
その後ろを慌てて追い掛けるくるみ。
2人の背中を見送りながら、
(利用…価値……?やっぱり もあちゃんはつーくんのことが……?)
鉛を含んだかのように重たくなったうさこの思考の中で、たった一つ揺るぎない気持ち…
「別れ、たく…ないよ……」
俯き、消え入りそうな声になりながらも、うさこはその気持ちを呟いていた。
「……話は終わった?」
予期せぬ声主に、
「ひゃっ⁉︎ つーくん⁉︎ 」
うさこは弾かれたように顔を上げる。
急に間近に現れた端正な顔に赤くなるうさこだが、
「深刻そーだったから待ってたんだけど」
その言葉に、
(き、聞かれた⁉︎ )
慌てたように叫んだ。
「わ、私はつーくんと別れたくないよ⁉︎ 」
「ん?俺もうさと別れたくないよ?」
「つーくん!」
抱き着くうさこを抱き締め返し、
「こんなくだり、さっきもあったね」
クスクス笑う翼。
そんな翼に、うさこはギューギュー締め付けられる胸を押さえる。
「うさ、午後も講義ある?」
「うん、昼休みの後にあるよ。つーくんは?」
「俺はもうないよ。今日はバイトもないからさ…」
言い掛けた翼に、
「つ・ば・さ♡」
「多佳子?」
うさこの苦手な多佳子が纏わり付くように抱き着いた。
(うわ、多佳子さん!)
うさこの身体が強張る。
「暇つぶし、付き合ってあげてもいいよ?」
そう言って、多佳子は翼の頬に唇を寄せた。
「……っ……」
翼とうさこが同時に息を飲む。
翼の頬に残った真っ赤なルージュの痕に、うさこは顔を歪めた。

