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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

―――ただ、嫌われたくないという、その一心。
真くんに失恋したと勝手に思い込んでいた私に。
こんな身長ばかり大きくて地味な私なんかに。
付き合おうと言ってくれた片桐さんは…凄く優しい人だった。
だから。
私を可愛いっていってくれた片桐さんの、付き合おうかって言ってくれたその言葉にすがるみたいにして、その行為を受け入れようとしていたと思う。
でも、無理――…!
いつもの私とは違う私の態度に、その拒絶の言葉に、片桐さんの動きが一瞬止まる。
離して――…!
少しだけ力が抜けたその腕。
自分の庇護下に囲い込むようなその空間から抜けだした私は衝動的に――自由になった右手を振り上る。
―――パンッ‼
静かな部屋に頬を打つ音が響き、私は片桐さんを平手打ちしていた。

