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第23章 対峙する心

でも―…。


変な話だけれど。
あの時までは私もそれなりに覚悟を決めてたっていうか。

片桐さんとそうゆうコトしたら、私の中の真くんへの気持ちへの踏ん切りが付くようなそんな気がしていた。


ずるい私は…また。
真くんを忘れる為に片桐さんを利用しようとしてたんだ。


だけれど、いざとなったら――。


いつもの優しい片桐さんとは違う、その男の顔は私の知らない顔で。

セックスなんて、付き合えばいずれ…。
大人同士の付き合いだし。いずれは通る道だもの。
何事にも初めてはあるんだもの。そう思っていたはずなのに…。


でも、私には無理だった。
片桐さんのことを好きになる。
そう決めたはずなのに、片桐さんのことそうゆう意味で好きじゃないって確信しただけだった。


まだソレを知らない躯――。
男性を知らない無垢な躯は肉の悦びなんて知るよしもなかった。