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第21章 覚悟

熊さんの俺を見る目が鋭くて、怖い。
俺の心を見透かすようなその真っ直ぐな視線はその質問の真意を推し量っているんだろう。


熊さんと片桐さんは歳も近いし付き合いも長い。
必然的に彼の辛い恋を熊さんは側で見守って来たはずだ。


その一途さゆえに、なかなか前に進めずにいた……という片桐さんの新しい幸せ。
それを願うのは、仲間としては当然のことだと思う。



……でも、知りたい。



俺だって片桐さんにも幸せになって欲しいと思う。
だからって紫乃が紫乃らしくないのは違うと思うし嫌だった。


熊さんがプライベートではたまにしか見せないマジな顔。
その鋭い視線に怖じ気付きながらも、俺は熊さんのその視線を真っ向から受け止めた。


『そんな風に言うぐらいなんだから、お前にとって、片桐の過去を知るのは凄く重要なことなんだろうな』