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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第3章 『 抹茶 水ようかん 』

Sachiさんからのメッセージにすっかり舞い上がってしまったわたしは、ブログへのアップは後回しにした。
スマホの画面を何度も見た。
『羨ましく思う……?
もしかして、Mさんかな?
いきなり、あれこれは話せないけど
少しずついろんなことが、話せるといいよね』
会ったこともない人なのに。
不思議なことに、わたしは、ずっと前から知り合いだったような……そんな気持ちになっていた。
Sachiさんのメッセージを何度も読み返してブログの改まった感じではなく、砕けた印象を受けた。
それは、嫌な印象ではなく、素のsachiさんを垣間見たような気がした。
ネットの繋がりだから。
あけっぴろげにするつもりはないけれど、少しずつ本当の自分を伝えることができたら……。そんなふうに考えていた。
すぐにメッセージの返信をしたほうがいいんだろうか…。
でも、すぐに返事をしたら、四六時中チェックしていると思われないだろうか。
だけど、すぐに返事を書かないのは……失礼な気もするし……。
堂々巡りしながら、考えていた。
考えながら、微笑みがこぼれる。
わたしって、たかが返信を書くだけなのになにしてるんだろう……という自嘲と、あれこれ考えることの楽しさを噛み締めていることと。
わたしは、軽く息を吸ってから、キーボードに指を置いた。

