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LowとChaosの間…
第12章 とぐろを巻く妻

――お嬢様め…くっ、
勇樹の表情が曇る。


「魅春!」

女性の声が響いた。
奥から現れたのは、魅春の母ハーリーだ。
年齢は50を超えているが、その端麗な容姿は人間の20歳と同等の若さである。
自分の娘と比べてもどちらが姉妹かわからない。

娘の半身も異様だが、彼女も腕が四本あり。わずかに肌が青白い。

「勇樹を中に」


――母上!?
久しぶりに育ての母である女性の声を聞いた勇樹。


魅春は振り返った。

「はぁ!?何を言っているのお母さん。彼は政府の犬なのよっ!」


「…お父さんは勇樹が来るのを待っていたのよ」

魅春は、ショックを隠しきれない。
何かを言いたそうに怒りの表情で口をパクパクさせ、身振り手振り手を動かす。


「母上…お元気そうでよかった」

勇樹は、睨みつける魅春を優しく払いのけると母と呼んだ魔人の案内で奥に向かう。


「魅春、玄関を閉めてね。勇樹にコーヒーと.お父さんにはお茶を用意しておいて」

冗談じゃないと魅春は思った。

(お茶でさえ満足に買えない状況なのに、妖魔から全てを奪う天津の人間と成り果てた勇樹にコーヒーなんか入れてあげるもんか)





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