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LowとChaosの間…
第21章 勇者vs魔王
「お前様っ!!」
紅蓮は聞き慣れる声を耳にした。
愛する妻の声。
麒麟は船室から甲板に上がってきたのだ。
「―-―-―-!!!!」
紅蓮の目が見開かれる。

「んであぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
紅蓮が叫ぶ―-いや、それは男の咆哮だった。

―-しま……
『なんだ!? これが……地獄の業火なのか―-!?』

―-―-―-!!!!!!!!!!!!

次の瞬間、艦上の誰もが声を失った。
紅蓮から放たれた一撃が無双を誇る勇樹を壁まで吹き飛ばしたのだ。
ドッ!
鈍い音とともに勇樹と無双正宗は甲板に伏した。

「「うおぉぉぉぉ!!」」
艦上は歓喜に包まれた。
「はぁはぁはぁ……」
紅蓮は肩で息をしながら、妻の声がした方向を見る。
「麒麟……」
「お前様!!」
今にも朽ち果てようとする夫を見て麒麟が駆け出した。

だが、二人の抱擁を遮るように艦に爆発音が響き渡る。
港に展開した自走砲が砲撃を放ったのだ。ジャスティスは被弾し、艦体をひっきりなしに大小の衝撃が襲う。
的として狙いやすいジャスティスは次々と集中砲火を受けた。
「隼人……ゲイボルグ―-」
紅蓮がメテオ発射管に目を向ける。

―-ムーンッ!!ムーンッ!!
甲板に警報音が鳴り響いた。これはジャスティスの稼働率が50%低下したことを意味する。
「……ぅん…何が起きた?」
迦具土を握る握力さぇ失う。紅蓮は膝を落として魔人兵に声をかけた。
「わかりません……お、恐らくは被弾の衝撃で艦自体の損傷をあらわしているかと……」
紅蓮の問いに魔人兵がジャスティスのマニュアルを片手に応えた。
「水兵どもを殺したのは間違いだったな。イヴァリスの文字では何が書いてるかもわからん。何人か生かしておけば……」
「それより、ミサイルはまだ発射できないのか!?」
紅蓮の声にかぶせて牙鳥が問う。
「は……っ」
慌てて魔人兵たちが持ち場に戻った。頭領である紅蓮や牙鳥、隼人が危うく戦死するところだったので甲板の魔人兵が一斉に集まってしまったのだ。

大艦ジャスティスも度重なる被弾で姿勢制御は不能となる。
もとより、沈没覚悟の作戦ではあるが黄泉軍兵の士気は高い。
帝都を火の海にするヤギ作戦は失敗と思われたが、メテオ発射管であれば主要都市までゲイボルグを放つことができるのだ。

しかし―-




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