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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)

「ほら、行くぞ」
そう言って店長はテレビ塔の方に向かっていく。
……なんで詳しいのか…後で聞けばいい…か。
そんな事を思っていると、鉄パイプで組まれた大きな足場が目の前に飛び込んできた。
工事中……?
それにしても高い。何十メートルあるんだろう……。
「これ、なんだ?」
同じ事を思ったのか、店長もその足場を見上げながらそんな事を言っている。
答えられるはずもなく、足を進めて振り返ると大きな大きなジャンプ台が目の前に飛び込んで来た。
「え……これ…」
訳が分からずにジッと見つめていると、会場の係の人に、通路で立ち止まらないでくださーい!と怒られてしまった。
「見てみるか…?」
「そうですね」
気になるので、敷地の中に入ると、突然音楽が流れ始める。
ハッとジャンプ台の一番上を見上げると、人がスキーで颯爽と降りてきた。
真っ白い斜面を、軽やかに駆け下りていく。
少し段になったところでふわりと浮いた体。
そして、いとも簡単に前にぐるりと体を一回転させると、それを見ていた大勢の人が、おぉ!と声を上げた。
「すげぇ。初めて生で見た」
「………私も」
次々と、上から人が降りて、色々な技を決めている。
すごい……札幌のど真ん中で、こんな大きなジャンプ台を作るだなんて、すごい発想だ。
よく見ると公開練習と書いてある。
地元のスキー部とかだろうか。
分からないけど圧巻の迫力だ。

