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やさしいキスをして?
第10章 番外編

おろしたての白いフレアスカートは黒ずんで、チュールの裾が少し破れてる。
『ハァやだなぁ、立てないや…』
まだ震える足に力が入らなくて、動けない。八の字にペタンと座り込んだまま、お気に入りの靴に目を向けた。
(こんなの履くからコケるのよね…)
ウェッジソールのサンダル。いつもはフラットな靴で観戦するくせに、今日に限ってコレを選んだ。砂利のグラウンドだってことは予め分かっていたけど、それでも今日の格好にはコレを履きたかった。
(立ち見、結構辛かったからなぁ…それで足にきてコケるなんて、情けないな…)
擦りむいた膝はじんじん痺れて、うっすらと血が滲む。だけどこんな傷…残念ながら、ちっとも痛くない。

