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やさしいキスをして?
第10章 番外編

学校生活にもひとしきり慣れた一年の夏休み。生徒会の用事で学校を訪れた僕は、偶然あの時の彼女を見つけた。
(あれは…)
園山まどかさん。その容姿で人気の彼女の名前は、クラスが違う僕の耳にも届いていた。
(何をしているんだろう…?)
体育館前のコンクリート。日陰になっているそこへ腰掛ける彼女は、グラウンドを眺めている。
僕が彼女と話をしたのはあの時の一度きり。面識なんて無いに等しい。なのに僕は、吸い寄せられるようにそちらへと歩みを進めていた。

