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第10章 番外編

『さっきの大男、この人混みに乗じて色んな人にワザとぶつかってたの。あなたをここへ引っ張った男の子が、文句を言いに追いかけて行ったわ。』

『え、あの…？』

『手荒に引っ張ってごめんね？でも彼はいい人だから。あなたの安全のためにしたことだから、許してあげて？』


彼女はそう言って、立ち上がった。


『さっきの騒がしい二人、友達なの。だから私ももう行くわ。』

『あ…あの、ありがとう！』

『…………』


咄嗟にお礼を言うと、彼女は背を向けたまま立ち止まった。