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やさしいキスをして?
第10章 番外編

『ふふっ…それ、大昔の話ね。』
『え…?』
『昔…小学生の頃に住んでた家の話。あそこは確かに暗くて、そういえばよく吠える犬もいたわね…』
『昔、ですか…?』
『ウチ、中学の時に引越したの。転勤族だった父の職場が、ある程度固定になったのを機に となり町へ。駅前のマンションだから、利便はいいのよ。』
三島くんに説明しつつ、私はなんだか可笑しくなってきた。初めて一緒に下校した時のこと、犬に吠えられて驚いていた二人のこと、懐かしい記憶が一気に蘇ってきた。
『そっか…そうよね。ゆうひくん、新しい家へは来たことないもの。あの頃の記憶のままだったんだ…うふふ』
『…………』
『あ、ごめんね。なんか色々思い出しちゃって//だけどそういう事だから、夜道は明るいし番犬もいないから安心して?一人で大丈夫よ。』
私が言うと、三島くんは黙ってしまった。一人でケラケラ笑ったりして、気を悪くしちゃったのかな…?

