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やさしいキスをして?
第10章 番外編

『倉田さん、昨日のことだけど……』
お礼はまた後でも言えるけど。それより彼女には、ちゃんと謝らなきゃいけない。私はもう一度、話を切り出した。
『一方的に怒鳴って、ごめんなさい。いじめのこと…倉田さんのおかげで収まりそうよ。今朝、三人で謝りに来てくれたわ。』
『そっか…!それなら良かった!もしまた何か困ったことがあったら、今度はすぐに言ってね?いつでも相談に乗るからね!』
余計なことだって思ってた倉田さんの行動なのに…今朝の三人を見て、ずいぶん気持ちが変わった。今ならお母さんにも、ちゃんと自分で話せる気がする。これも倉田さんのおかげ…なのかな…
『ねぇマドカちゃん…昨日の話の続き、もう一つしてもいいかな?』
そう言った倉田さんは、授業を受けてるみんなの方へ目線を向けた。ちょうどドッヂボールの試合中で、校庭には賑やかな声が響いている。
『マドカちゃんが言ってた、友達がいなくなっちゃうって話。あたしなりにもう一回考えてみたんだけど…』

